
世界への切符を手にしたのは、
一人の中学生プレーヤー
vol.43 松平秀斗さんインタビュー
4月11日・12日に和歌山県で開催された「2026年度世界デフテニスチーム選手権大会日本代表選手選考会」において、石守校の松平秀斗選手がジュニア日本代表に選出されました。
世界デフテニスチーム選手権大会は、4年に1度開催される国別対抗の世界大会です。試合はシングルス2試合、ダブルス1試合の計3試合で勝敗を競い、2026年度大会は7月にフランス・グルノーブルで開催されます。
世界への切符をつかんだ松平選手に、日本代表内定の喜びやこれまでの歩み、そして世界大会への思いを伺いました。
世界への切符を手にした瞬間

ー日本代表内定を聞いた時、どんな気持ちでしたか?
自分が出場できると思ってなかったので嬉しかったです!それと同時に、今まで練習以外で筋トレやストレッチをしてなかったから、日本代表になった以上、もっと体づくりにも取り組まないといけないなと思っています。
ー家族やコーチの反応は?
家族からはめっちゃ褒めてもらえました。お父さんは仕事で日本代表選考会の試合には来れなかったけど、高校生相手に勝ったことや、日本代表に決定したことをLINEで報告したら「おめでとう」って言ってもらいました!
ー日本代表選考会を振り返って思うことは?
選考会は2日間で8試合。世界大会に出場できるのは大人3名、18歳以下の選手が1名の計4名と決まっています。
試合はゲームカウント4-5の時、自分のマッチポイントで相手にアウトコールされて泣きそうになった場面もありました。でも、そこで心折れずに逆転しました。10ポイントタイブレークでは、ラリーでねばって相手のミスを待ちました。最後はサービスエースで決めて、勝った時は後ろを向いてガッツポーズ!今までで最高の試合ができたと思います。

夢への原点をたどる

ーテニスを始めたきっかけは?
初めてラケットを持ったのは2歳くらいです。小さい時にお父さんと遊び感覚でテニスを始めました。スクールに通い出したのは小5の時。始めは石守校や西神戸校、書写校といろいろ通いました。最終的に強い選手と練習したくて、中1の秋に石守校の選手コースに来ました。
ーテニスは好き?
好きです!テニスは自分からやりたいと思って始めました。テニスって自分の思うようにプレーできたら気持ちいいですよね。
ー自分の武器は?
跳ねるスピンのフォアが得意です。フォアはスピンかけるけどバックはフラットなのでボールの質が違うから、打ち分けたら相手を崩しやすいです。あとサーブも得意です!
ー試合中どんなこと考えてる?
まずはポジティブ!あとはボールを最後までみるように気をつけてます。いつも「いける」と思って早く振ってしまって打点が合わないことがあるから、ちゃんと最後までボールを見て、腰を落とすように意識してます。
実は試合が始まる前はめっちゃ緊張してて、心臓バックバク(笑)試合前は汗だくになるから、走ったりして緊張ほぐすようにしてます。


ー音が聞こえない中で、試合中、どんな情報を頼りにしていますか?
試合中は補聴器を外すから、全く音が聞こえません。だから打った感覚がわからないし、ボールが重く感じて感覚が鈍ってしまうんです。でも、いつもの感じでやらないと余計に狂ってしまうから、あまり考えすぎないようにしています。
強さの正体は、弱さを知ることだった
ーテニスと出会って変わったことは?
実は事件があって…中2の中体連の予選の決勝でした。4−6で負けてしまって、その時思わずラケットをガンって叩きつけて折ってしまったんです。
折ってしまったことを両親は怒らなかったけど、そんな自分が情けなくて、悔しさよりも罪悪感でめちゃくちゃ泣きました。
それまでは、メンタルがいい時は最高のテニスができるけど、テンションが下がればどんどん自分のプレーが悪くなっていました。イライラしたり機嫌が悪くなることもあって、気持ちの波が大きかったです。でもその事件以来、気持ちを抑えることができるようになりました。その結果が今回の代表内定にもつながったと思います。それ以来ラケットはどこにも当ててないです(笑)これが自分自身を大きく変えたきっかけですね。

一人では辿り着けなかった場所

ー 一緒に練習するメンバーはどんな存在?
今は石守の選手Sコースで練習していて、小学生から中学生までたくさんいてみんなテニスが上手。その中でも同い年の零と稔瑠は仲良いです!零はおもしろくて、稔瑠はヤンチャ(笑)
ーコーチってどんな存在?
何か困ったら相談できる存在ですね。最近は高校の話とかもしてます。中学卒業後も勉強とテニスを頑張りたいから、それを実現できる道のこと相談をしたりしています。
ー家族にどんな気持ちを伝えたい?
お父さんは僕のテニスのことをよく理解してくれていて、レッスン前に「今日はこんな感じでやってみたら?」とか色々アドバイスしてくれます。お母さんは、家から石守校まで遠いのに毎日送り迎えをしてくれて、ご飯を作ってくれるので両親には本当に感謝しています。
聞こえないなんて気にしない。世界へ向かう背中が、誰かの勇気に
ー世界で戦う実感はありますか?
7月2日に日本を出発して5〜12日にフランスのグルノーブルで世界選手権大会があります。正直実感はないんですけど、今はメディカルチェックを受けたり、パスポートを取得したりしていて、海外に行くにはこんなことをしなきゃいけないんだな、と思うと、少し実感がわいてきたように思います。
ー海外選手と戦うのは楽しみ?緊張する?
楽しみです!自分はフレンドリーだからいっぱい友達を作りたいし、いろんな話をしてみたい!でも英語喋れないな(笑)
ー世界選手権でどんなプレーをしたい?
サーブが得意だから、速いサーブで相手を崩してチャンスボールを決めたいですね。あと粘り強いところが持ち味なので、取れなくても諦めないで走ってプレーして優勝したいです!


ー将来の夢を教えてください
まずは世界選手権で優勝すること。あとはデフリンピックにも出場して金メダルを獲りたいです!
テニスも続けていくけど、将来は数学が得意だから中学校の数学の先生になりたいと思っています。
世界へ挑む教え子へ

堺コーチより
日頃は明るくムードメーカー的存在の秀斗くん。入ってきた当初は運動神経がすごく良いけれど、メンタルの波があってなかなか上手く行かないことが多かったですね。今ではいろんなことができるようになって、メンタルも安定するようになりました。すごく良い状態で今回の世界大会へのチャンスにつながったと思います。
日本代表選手として世界で戦えば、素晴らしい経験になるのでさらに成長できると思います。
今後の活躍を期待してしっかりサポートしていきます!
PROFILE

| 松平秀斗さん | |
|---|---|
| テニス歴 | 小5からテニスレッスンを受講 |
| 得意なショット | フォアストローク・サーブ |
| 得意なこと | 数学・算盤 |
| 好きな食べ物 | 社の長浜ラーメン! |
| 将来の夢 | 中学校の先生 |
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