今月のトップラン vol.02 武本 萌衣選手インタビュー
「ボールを打つこと」に魅せられて!
テニスにかける夢と情熱
勉強をきっちりこなした上で、テニスやボクシング、サッカー、テコンドー、陸上、駅伝などそれぞれの競技に打ち込んで「トップ」を目指す。それが私立相生学院高等学校スポーツコースの基本方針。3年間は自分が追い求める夢としっかり向き合いながら日々の時間を過ごします。そんな相生学院へテニスが上手くなりたいとやってきたのが武本萌衣さん。高校2年生の彼女は、大阪の実家を離れて寮に入り、毎日コートを走り回っています。そんな彼女にとってテニスとは? 今の目標やこれからのこと、テニスにかける思いを聞きました。
◆相生学院を選んだ理由は「ボールがたくさん打てるから」
―テニスを始めたのはいつ頃ですか?
保育園の年長から始めました。大阪にある地元のテニススクールで、姉が先にテニスをしていたのがきっかけです。
テニスはボールを打つことそのものが楽しくて!小学2年生の頃から試合に出始めると、さらに面白さを感じるようになって、「強くなりたい」という気持ちがどんどん出てきました。その頃から本格的にテニスに取り組むようになり、中学はスポーツ推薦で私立の学校へ進学しました。
―そして高校は相生学院へ。
練習時間がたくさんあるし、「ボールをたくさん打てる!」と思って相生を選びました。3年間テニスに打ち込める環境がやっぱり魅力的だったかな。
しんどさを感じること…? もちろんあります(笑)友達と遊びたいと思うときも。
でも「強くなりたい」とか「試合に勝ちたい」という思いの方が強いので、自然とコートに足が向きますね。
◆テニスは楽しんでやると決めた! 物事はポジティブにとらえて前向きに
―印象に残っている試合はありますか?
つい最近のこと、シードをもらっていた試合で負けてすごく悔しかった。周囲も私自身もどこかで「勝てるはずの試合」という期待があったのでとにかく悔しい…
敗因は、試合中に弱気になってしまったこと。シードはあって当たり前と言われるけれど、やはりシードをもらうと「守らなきゃ、勝たなきゃ!」という気持ちになってしまうのかも。
監督には「打ち急ぐな、攻め急ぐな!」って言われるんですけど、それが上手くできないことも。監督はきっと「イー!」ってなりながら見ていると思います(笑)
―試合に負けたときの立ち直り方は?
私の場合、基本的に時間が経ったら忘れます。試合に負けても2週間ぐらいで忘れるかな。ただコーチに負けた試合のことを言われて再度へこむことはありますけど…。
―嫌なことは引きずらないように心がけているんですね。
中学2年生のとき、一度テニスがすごく嫌になった時期がありました。とにかく監督に毎日怒られて、走るように言われて、「全然楽しくない」って思ってしまった。でもそれを乗り越えて、テニスがまた好きになったとき、ふと感じたんです。テニスは楽しんでやりたいなーって。だから物事はできるだけポジティブにとらえて、前向きに取り組むようにしようと決めています。
◆目指すは個人戦のタイトル これからは攻めていきます!
―今後の目標を教えてください。
近畿地区大会(第43回全国選抜高校テニス大会近畿地区大会)の団体戦では優勝することができ、年明けには全国選抜の団体戦へ。必ずみんなで優勝を勝ち取りに行きます。もちろん今後の試合では、個人戦でも上を目指していきたい。全国大会の個人戦でタイトルをとることも大きな目標です。これからはもっと攻めの気持ちで戦っていきます!
―相生学院へ来てよかったと思うことは?
たくさんボールが打てること、テニスに打ち込めること、そして仲間に出会えたこと!
友達はもちろんライバルだけど、みんなが一生懸命練習する姿を見ると、「おいていかれたくない」と思ってしんどくても踏ん張れる。あと団体戦でチームが一つにまとまったり、みんなが自分たちを応援してくれたり…そうした一つひとつのことがうれしいと思えるし、自分の大きな力になっています。
―やっぱりテニスが好きなんですね。
勉強よりも、やっぱり自分にはテニスしかないなって思います。今はとにかく「ボールを打ちたい」しか思っていないし、テニス以外に楽しいことはないですね!
丸尾 幸弘コーチより
『全国大会でタイトルが取りたい。』
インタビューの中で本人が言っていたこと、いつの日か必ず成し遂げてくれるでしょう。高校か大学か時期は分かりませんが、彼女はそれだけの逸材ですし、これからもっと伸びていくのは間違いありません。挨拶や片付けといったことから練習まで、厳しく指導することはたくさんありますが、やはりそれは彼女に期待してのこと。相手の攻めに対しバックハンドスロープですばやく打ち返していける持ち味を生かして、どんどん活躍していってほしいですね。
プロフィール
武本 萌衣(たけもと めい) 選手
相生学院高等学校2年生(17歳)。
5歳からテニスをはじめ、テニス歴は12年。中学時代には、全日本ジュニアU14ダブルス準優勝、全国中学生テニス大会 ダブルス準優勝、関西ジュニアU16シングルスベスト4、全日本ジュニアU16シングルスベスト32など、好成績を残し頭角を現す。
好きな選手は、アグニエシュカ・ラドワンスカ。「めちゃくちゃ低いボールでも膝を曲げて打ち返していくところがすごくかっこいい!」