今月のトップラン vol.03 南 颯太選手インタビュー
体が動き続ける限りテニスは続ける!
強い気持ちで切り開かれていく未来とは?
一つのことに向き合っていれば、必ず良いときと悪いときがあります。もちろんそれはスポーツの世界も同じ。小さい頃からテニスを始めていれば、体や気持ちの変化、自分より強い相手の登場などで、心が不安定になったり、自信を失ったり、物事がうまく進められなくなったりすることが出てきます。今回はそんな難しい状況にあっても、日々テニスと向き合い続ける、トップランジュニアEXコースの南颯太選手にインタビュー。これまでのこと、今のこと、そしてこれからの目標を語ってもらいました。
◆自分はテニスを続けていける!自信を手にした小学校時代
―テニスを始めたきっかけは?
テニスを始めたのは5歳の頃。両親がテニスをやっていたこともあって、小学生ぐらいまでは父や母にテニスを教えてもらっていました。
小学校5年生の夏ぐらいからクラブチームに入り、大きな大会にも出るようになりました。
―さらにテニスに力を入れるようになった時期なんですね。
その頃から東海大会みたいな大きな大会で思いがけず勝てたり、全国へ行ける一歩手前まで勝ち進めたりして、自分はテニスでやっていけるかもと思うようになりました。5、6歳から試合に出てはいましたが、やっぱりその頃はまだ遊び感覚でテニスを楽しんでいた時期なのかなと思います。
―小学校5年生で全国大会が見えてきた!
実際に全国小学生大会へ行けたのは小学校6年生のとき。やはり全国のレベルはすごくて、その当時は全く勝てなかったけど、試合を見ていた日本テニス協会の方が、松岡修造さんでおなじみのトップジュニアを対象とした強化キャンプ「修造チャレンジ」に推薦してくれました。
―すごいですね!「修造チャレンジ」に参加して気持ちに変化は?
自分が知らないことを知っていたり、自分にはない能力を持っていたり、人それぞれみんな持っているものが違っていて、刺激になりました。帰ったらもっと頑張らなければと思えましたし、何よりすごく楽しい時間でした。
―トップランジュニアEXコースへ進学を決めた理由は?
海外で試合に出たいという気持ちがあったことが一つ。あと通学に時間を取られるよりも、寮に入った方が、テニスに集中できていいかなという思いもありました。
◆中学から高校…上手くいかないことが増えてきた
―すごく順調にステップアップしている印象があります。
確かに小学生ぐらいまでは、上手く行くことの方が多かった。でも中学になると勉強との両立で悩むこともあったし、高校になると、テニスだけを見ても、物事がスムーズにいかないことの方が多くなってきたなと感じています。
―辞めたいな…と思うことも?
目標が達成できなかったときや試合に負けたときには、「自分はどうしたいんだろう」と考えることはあります。テニスを辞めたいまでは思わないけれど、ちょっと休憩したいなという気持ちになることは正直あります。
―でもやっぱりテニスは続けるのですね。
体が動かなくなるまで、スポーツは続けていたいですね。スポーツ…?!やっぱりテニスになりますね(笑)
―落ち込んだ時に気持ちを立て直す方法は?
自分は、試合に負けたりすると、とことんへこむタイプ。部屋で一人ボーっとしていると落ち込むばかりなので、外に出て体を動かします。サッカーとか卓球とか、球技全般得意なので、昔はよくテニス以外のことをして気持ちを発散させていました。
高校生になってからは、オフの日にカラオケに行ったり、アウトレットに買い物へ行ったり、食べ放題に行ったり!すごく食べるみたいで、コーチからは見ていて気持ち悪くなると言われます(笑)。今はコロナ禍で外出が難しくなりましたが、気分転換したいときもあるので、早く以前のように外出できるようになってほしいと思いますね。
◆来年は高校3年生 さらなる飛躍にむけて自分の可能性を広げたい!
―直近の目標は?
3月20日から始まる全国選抜大会の団体戦優勝が最優先事項です。個人としては、全国選抜のシングルスで勝ち進むことが大きな目標。そのあと全日本ジュニアの兵庫予選やインターハイの予選と、試合が続いていきますね。
―来年はトップランジュニアEXで過ごす最後の1年になります。
そうですね、高校3年生になるので結果を残して、自分の可能性を広げていきたい。国内にある大学へ進学する選択肢もあるし、アメリカの大学へ行ってプロを目指すという道もある。英語が心配ではあるんですけど…(笑)。でも実力が上がっていけばそれだけいろんな道が広がっていくので、今はやれることをやるだけです。
―テニスをやっていてよかったなと思えることを教えてください。
やっぱり人との出会い。テニスをやっているからこそ、出会えないような人に会えたり、知り合いになれたり、人間関係にすごく広がりができたように感じます。相生学院でできた仲間とか、ここへ来る前に「がんばって来いよ」と送り出してくれた地元の友達とか、そんな大切な存在ができたのもテニスをやっていたからこそだと思います。
澁谷 竜矢コーチより
試合ではメンタルの強さを発揮して落ち着いたプレーができるし、すごく賢いテニスをする印象があります。体つきも良くなってきてパワーも出てきました。
課題があるとすれば自己管理!テニスは上手いだけでは絶対に勝てない。普段から生活習慣や体調管理に高い意識をもつことで、試合でもここぞというときに調子を上げられたり、雨や風などコンディションの良くない中でもしっかり自分のゲームができたりします。自己管理がさらにきっちりできれば、トップクラスのプレイヤーになるのはもちろん、一人の人間としても大きく成長していくでしょうね。
今後の飛躍を楽しみに見守っていきたいと思います!
プロフィール
南 颯太(みなみ そうた)選手
トップランジュニアEXコース
相生学院高等学校2年生(17歳)
テニスをしていた両親のすすめもあって5歳の頃からラケットを握るように。その才能はすぐに発揮され、小学校6年生の頃には全国小学生大会に出場。
松岡修造さんが日本テニス協会などと共催する、トップジュニアを対象とした強化キャンプ「修造チャレンジ」への参加経験もあり。ITFグアム・ITFニュージーランドなどの国際大会でも好成績を残す。
小さい頃から走るのが得意と話す南選手は、「試合の中で粘りに粘って相手が疲れたところを狙っていく」スタイルが持ち味。